小豆島土庄町大ぬで財産区
「これから伐ろう」
 戦後すぐの昭和20年代、「拡大造林政策」というヒノキ・スギやカラマツなどの植林がすすめられた時期がありました。香川県内ではマツが植えられることが多かったのですが、地味のよい場所にはヒノキ・スギも植えられました。昭和40年代になって、松食い虫の被害などによりマツは壊滅状態。マツを多く植えた香川県では、マツ枯れの後に再植林したヒノキがこれから伐期を迎えます。
 まんのう町仲南地区には、ヒノキ林が至るところにあります。 南に県境の阿讃山脈をひかえる旧仲南町は、塩入や尾の瀬、山脇など山並みの谷すじに人工林が点在しています。このあたりは昭和初期に植林され、県内でも樹齢の高いヒノキの育っている地区の一つです。その他、平坦な地区にも、里山に茶畑と並んで小さなヒノキ林があちこちに見えています。
   仲南町のヒノキ林を、仲南町森林組合小山悦寛さんにご案内いただきました。 旧仲南町と旧満濃町の境界ちかく、中川原地区。野口ダムの東側の山林に、合計約60ヘクタールのヒノキ林があります。谷筋に数ヘクタールずつの塊でヒノキが植えられ、山の奥へ行くほど樹齢の高いヒノキがあるそうです。若いヒノキは今から5年ほど前に植えられたものでした。林齢40年(植林してから40年)から、大きいものでは胸高直径20センチ以上もある70年のヒノキを、これから順次伐採して、出していく予定です。

  70年以上成長したヒノキはおもしろいと小山さんは言います。スギと比べ、樹齢が高くなってもそれほど径の太くならないヒノキは年輪が詰まり、社寺仏閣の大きな柱などに使われてきました。 仲南町森林組合はここ十数年、伐採や搬出をしていません。今年度末から来年度にかけて、試験的に伐採をし、丸太の搬出方法についても架線をかけるか、作業道をつくるか、新たな「仲南方式」を模索していきたいと考えています。

 この山の所有者は「まんのう町外三ヶ市町山林組合」。山林組合は、所有する市町などが共同で特別地方公共団体として、所有林を管理しています。このように所有形態が公有林であることで、このあたりの山林は手入れも積極的にされています。また、木材の利用に関しても、長期に計画的に考えることが可能になっているようです。

 仲南と言えば、山の幸が豊かなイメージがあります。特に、春先のタケノコは有名です。道の駅にある特産品センターには、季節を問わず山の幸を求めて人が集まってきます。そんな特産品センターに、仲南産の竹炭や竹酢液など竹を利用した製品がいろいろ販売されています。仲南町森林組合が開発した農業用竹パウダー「たけとりひめ」を肥料にして生産したお米も人気があるようです。
  この竹パウダーは、竹林の改良に取り組む仲南町森林組合が、切り出した竹を少しでも利用しようと製品化したものです。もともと建築資材などに利用するために植えられた竹ですが、繁殖力が強く、伐り続けないとヒノキ林のなかに入り込み、ヒノキが圧迫されて枯れてしまうこともあります。ここ仲南でも、ヒノキ林のなかでジャングルのように繁っている竹林がありました。
  小山さんは、「これ以上広がらないように、守るだけです」とおっしゃいます。いかに上の森林へ竹をあげないか。「何十年か先に、すべて竹林になってはいかん」ので、竹林の境界で竹を伐る作業を続けています。仲南町森林組合の作業班の方々は、すでに難しいとされている竹を伐採し搬出しています。だから、「大丈夫ヒノキの搬出はできる」と考えておられます。

大ぬでの森林を歩く人写真
 もう一カ所ご案内いただいたのは、JR黒川駅の南の山脇地区。車で上る道もそれほど急勾配ではなく、人家のある里から県境までなだらかにヒノキ林が広がっています。谷筋一つで10ヘクタールほど。歩けば県境まで2時間半もかかる奥まで、全体では約50ヘクタールにもなります。見せていただいた入り口近くで40〜50年育ち、樹高20メートル近いヒノキが見渡す限り続いています。「行けども行けども‥行けどもヒノキの林です」と小山さん。この山を見に来るときには、昼食のお弁当持参で歩き続けるそうです。

 このヒノキ林は、「まんのう町外二ヶ市町山林組合」が土地を所有し、香川県が植林と手入れをおこなう「県行造林」です。
まとまった面積がありますから、例えば毎年、保安林としての機能を維持しながら部分的に伐採していくことなど、いろいろな利用計画が考えられます
 県内の森林組合は、合併し人員を削減する傾向にあります。森林組合は森林所有者の協同組織として、主に組合員の森林経営の指導や森林施業、林産物の生産・販売・加工等をおこなっています。 木材価格の低迷や林業の衰退傾向のなかで、森林整備の中心的な役割を果たしている森林組合にもたくさんの課題があるようです。「今こそ、森林組合の存在意義を問われています」と言う小山さん。地域産木材の利用がほとんどゼロに近い香川県の現状を変えなければ、森林組合のこれからも考えられないでしょう。木材を利用する側として、町の人間の見識も同時に問われているのかもしれません。

仲南産ヒノキ材が使われる日は、そんなに遠い先ではありません。
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山の管理は誰がしているか、知っていますか。

国有林や県や市・町の所有林は、国や自治体が管理しています。
しかし、県内の森林の16%を占める檜や杉の民有人工林の管理は誰がおこなっているのでしょう。

かつては、
森林所有者が、桧や杉を育て、売買し、山の手入れの費用を得ていました。
生産活動によって、山の状態が維持される仕組みが成立していました。

国産木材の価格が低迷する昨今、手入れを放置された森林が増えています。

県内にある約13,000haの民有人工林について、すこし知ってもらいたいことがあります。
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